あらすじ
ひととあやかしが共に暮らすことができる、最後の聖域。
四国、高知の山奥にある隠れ里。茂伸(ものべの)――
元の住処の人吉・球磨の市房山から新天地を求め茂伸に越してきた雪御嬢のゆきは、けれどもバス駅の日陰から、一歩も動けなくなってしまいます。
茂伸の――四国の陽射しはゆきにとっては余りに強く、その中に足を踏み出したなら、きっと溶かされてしまうからです。
行くも戻るもできなくなったゆきを助けてくれたのは、バスからおりてきた旅人の――あなた。
お礼に汗だくの体を拭いて冷やしてもらったあなたは、ゆきと一緒に車を借りてドライブをして、ゆきが暮らせる場所を探して、見つけます。
仮初の住処に定めた洞窟内で元気を取り戻したゆきは、ゆきに快適な気温に合わせ、すっかり冷えたあなたの体を乾布摩擦してあたためてくれます。
ここちよいぬくもりと、穏やかで丁寧なみみかきと。
こころの距離を縮めたあなたとゆきとの添い寝を彩る寝物語は、昔話と――これからのこと。
ひんやり冷たく、けれどぬくもる雪の指先と静かな声とに導かれ……どうぞゆるりと、癒やされ、おやすみいただけますと幸いです。
トラックリスト
1. ゆきの自己紹介 8:18
「え? あ――ほーんと。
こぎゃんとこにベンチばあったとね。
ほんなら――よいしょっ」
「ね? おにいさんもおとなり座って?
おにいさんの影ばできれば、ゆき、よーけに楽になれるけん」
2. タイトルコールとこの音源の楽しみ方 7:13
「こんボイスコンテンツば、あなたの疲れをひんやり癒やし、こころを鎮め、体を休め、おだやかな眠りに落ちていただく――
そんお手伝いばすることを目的とした、バイノーラル安眠ボイスドラマです」
3. バス停のゆき(体拭き) 32:56
「おにいさん。えへへ――。
ありがと。まっこと、ありがとぉねぇ」
「あんな? うちね……ものべののカミさまにお手紙で呼び出されてな?
ここまで来たはよかったばってん――」
「一緒にきとった犬神(いんがめ)ちゃんにな?
こぎゃんバス駅におきざりにされて……」
4. ゆきとクールドライブ(乾布摩擦) 25:36
「ほんなら、まずはこするけんねぇ。
<タオル擦>――んっ――
<タオル擦>……ん――
<タオル擦>……(呼吸音)」
「ん――<タオル擦>――
どぎゃんと? おにいさん――<タオル擦>
タオル、二重にしてあるけん――<タオル擦>
ゆきのひんやりば伝わらないで――あ!」
「えへへっ――あったまってるならよかったとー。
ほんなら、もーっとすりすりするけん――
ん、っしょっと」
5. ゆきの耳掃除(左耳) 21:44
「そしたら……そしたら!
耳かきばして、最後の仕上げに、ちりがみでごしごしって、するんでどぎゃん?」
「ん。わかった。
ほんなら、ね? 今度は竹の耳かきで――ふふっ」
「まずは、浅かところから~<耳かき音>――
こりこりって――<耳かき音>――
かりかりって――<耳かき音>――
どぉお、おにいさん? きもちよかでしょー」
6. ゆきの耳掃除(右耳) 23:51
「おにーさんは、ん――<耳かき音>――
市房山(いちふさやま)ば、しっとーと?――<耳かき音>――
市房山ば、九州熊本、人吉・球磨で、いっとう高くて――
綺麗なお山――<耳かき音>――」
「麓ばたどれば、温泉と、おいしかお米と焼酎と――<耳かき音>――
あとはーーああそう! 子守唄――<耳かき音>――
市房山からはすこぉし離れとるばってん――<耳かき音>――
五木村(いつきむら)の、五木の子守唄ば有名よねー」
「え? 『どんな歌だっけ』って……<耳かき音>――
んん……ゆき、あんまり歌ば上手じゃなかけど」
7. ゆきの添い寝(安眠導入)27:19
「一緒に寝ると……はううっ――おかお、近かとねぇ。
近くて……近くて……ううっ――
ゆき、こぎゃんすずしかとこなのに、かけぶとんもかけとらんのに――((呼吸音))」
「あぅ~……ん……おかお、あつぅて――
なんだかあつぅて――とろけそお――え?」
「あ! そぎゃんとね。
おたがい、上ば、天井みれば、ちかくにおっても、
お顔とお顔は、ちかづかんもんねぇ」
8. おまけボイス
鈴谷まやさんインタビュー
『あやかし郷愁譚 ~雪御嬢 ゆき~』のレビューと感想
熊本弁が可愛い
あやかし郷愁譚を聞いたのはこちらで二作目。
相変わらずキャラクターやその背景が丁寧に練られている印象。
ただ、聞いていて思ったことは熊本弁めっちゃ可愛いな!? ということ。声も可愛いけれど艶っぽくもあり、とてもマッチしている。
あと、鼠蹊部に冷えピタを考えた人は天才ですか?
安眠効果:大
ゆきさんの声とても可愛くて、聴くと体中に氷水が染み渡るような感じがします。
いつも寝付くまで時間がかかるのに、ゆきさんの声を聴いてすぐに熟睡しました。安眠効果がばっちりです。
ゆきさんの声に癒されたい方におすすめします。
可愛くて癒される、でも色々鋭いゆきさん
まず、方言がものすごく自然です。これだけでも聞く価値があると思います。
そして雪御嬢のゆきさんですが、基本はまったりほんわかの癒し系です。
ゆったりとした話し方で、包み込むような、おっとりした感じのお姉さんです。
でも、時々、子供のようにはしゃぐところがあって、そのギャップがとても楽しい。
車の音とか、水滴が落ちる音とか、環境音も色々と凝っていると思います。
添い寝の時の空気の音、水滴音などはエコーも効いていて、すごく広がりを感じます。
それだけに、ゆきさんが近くにいるのが引き立つような。
添い寝の時のゆきさんですが、こちらの心を見通すような、心に沁み込んでくるような感じがとても良いです。
単に癒される、というのでは無く、本当に融けそうな感じがすごいですね。
ものべので、他のあやかし達と、わいわいする楽しい物語も聞きたいですね。
ゲームで作ってもらえないでしょうか。
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お買い得情報
キャスト
ゆき:鈴谷まや @suzuyamaya
イラスト・キャラクターデザイン:cura @curacuracura
シナリオ:進行豹 @sin_kou_hyou
収録:明神下スタジオ
編集:新井健史 @arakeso
制作:Whisp