耳かき

『フォーリー・煤竹耳かき』のレビューと感想

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あらすじ

ひととあやかしが共に暮らすことができる、最後の聖域。

四国、高知の山奥にある隠れ里。茂伸(ものべの)――

「恐れ」が変質していく中、誰からも恐れられなくなり忘れ去らて、消えようとしていくあやかしたちが、逃れるように集ってくる土地。

ものべのに移住したあやかしたちのほとんどがしあわせを掴み、自らを再構築していくなか――しかし、ものべのでもやはり、確たる立ち位置を築けないあやかしもまた、存在します。

縄のうれん。京の都で浮かれてすごすものたちの顔に、ざあっと縄のうれん――今の言葉で「縄のれん」をなすりつけ、ひやりと驚かす――ただそれだけのあやかし。

その最後の生き残りである、結(ゆえ)。

藁縄という存在そのものがナイロンロープやポリエステルロープに取って変わられ。

なんとかざあっと脅かすことに成功しても、「? コンビニ袋でも飛んできた??」と全く恐れてもらえなくなり。

どんどん弱っていくいっぽうの結はなんとかものべのへの移住に成功し。

けれど――やはり――ものべのでも結は……

藁縄は、藁ぞうりは、藁布団は――時代遅れの存在でした。

縄を綯っても、わらじを編んでも、なかなか売れない。

人とあやかしがともに暮らしていくためには、人のたつき――お金を稼ぐことがどうしても必要です。

そのために結が為し得る唯一の手段が、完全に時代おくれになっている――絶望的な状況であるといえましょう。

それでも結はあきらめず、人に受け入れてもらうため、人との縁を綯うために、街頭に立ち、必死で声をあげ続けます。

「草履~ 草履~ 稲藁草履はいかがおす……」

その声にきまぐれに足をとめた旅人が、あなた。

露頭に迷い貧乏にあげぐ結はそれでも、稲藁の魅力を信じ、つたえるために一生懸命、縄を、ことばを、紡ぎます。

ひたむきで真面目で、指先だけは器用だけれども、生き方は極めて不器用な結の声に、どうぞその耳を傾けて――

そうして結とよりそいあって、ふたりいっしょのあたたかな時間を、綯っていただけましたら幸いです。

藁と、藁縄とともにあり続け、それを使って人を驚かすことだけをその性(しょう)とするあやかし。それが、「縄のうれん」です。

ひょんなことから「結」という名を得て。

その名を想われる力によって、他の縄のうれんたちが次々消え去ってしまう中、結はぎりぎりなんとか、ものべのへの移住に成功しました。

けれど、ものべのでも縄の、藁のニーズはそうそう多くはありません。

心機一転の暮らしのはずが、ものべのでもやはり、結は困窮の中へと追いやられてしまいます。

けれども結は、誰よりも、縄の、藁の魅力を。

そのあたたかさを、やわらかさを、しなやかな強靭さを知るあやかしであり――

そうして稲藁同様に、あたたかでやわらかで、しなやかで強靭なあやかしでもあります。

ですので、決してあきらめず。

いつかきっと出会えるはずの、結が綯われるべき相手――

きっと、あなたに出会うため――今日も、ものべのの四つ辻に立ち、声を張り上げつづけるのです。

その声にどうぞ、足をとめてあげてください。

そうして結の指先とともに、縄を、わらじを、さだめを綯ってあげてください。

その先できっと。

稲藁の持つ穏やかなあたたかさとやさしさが、心地よい音と香りとで、あなたを包み、いやしてくれることでしょう。

トラックリスト(合計2:41:45)

1. Track1「ゆえの自己紹介」(8:34)

「そしたら、藁製品も売れるかもやし――

貧乏脱出できるやんなぁ―― うんっ!!」

「あんさん! あんじょおおおきに!

結、なんややる気でてきたは」

2. Track2「タイトルコールとこの音源の楽しみ方」(10:50)

「ああ。『縄のうれん』ゆーても、わからはらへんよねぇ。

結のおった京都でも、もうだーれも覚えとらんよーになってもーた、あやかしやさかいに」

「縄のうれんは……ん。縄を扱うのがとーっても得意なあやかしで……そやさかいに、ね? 縄とおんなじ要領で編めるこのわらじも、身びいきなしでほんま上質の――(呼吸音)」

3. Track3「結と縄ない(藁縄綯い)」(33:23)

「やのーて。ああ、ほんにあんときのあんさんやなぁ。

すぐに来てくれはるかと思とったのに、間があいてしもうたさかい、すっぽかされて、もう来てくれへんのかと思うて」

「……あはは、電気屋さんと間違えてしもたんは、あんじょう堪忍しはってな?」

4. Track4「藁箒。つくりましょおな(湯葉鍋。藁ぼうきづくり)」(26:40)

「あ、湯葉はあっつあつやさかいに、ふーふーして食べんといけんよ? (ふーーーっ、ふーーっ、ふーーっ)

(はむっ) ~~~~っ! あふっ、おいひっ――

ん~~~っ――(ごくっ)」

「ほぁー、ふーふーしてもあっつかったなぁ。

けど、ああ……喉をとおっておなかに湯葉が落ちていくのがわかる――ん~~っ……おいしいなぁ」

5. Track5「結の煤竹で左耳掃除(煤竹炙り)」(18:34)

「ん。こないな感じやろか?そしたらあんさん。浅いトコ、ちょこーっとお試しで耳かきさせてな?」

「ん……」

6. Track6「結の煤竹で右耳掃除(煤竹炙り)」(26:02)

「いやいや、なーんも、なーんもゆーてへん……ゆーか……えと――ああ、そう!

お耳掃除、右のおみみもしっかりお掃除せなあかんなーゆーとっただけ。うん。決意表明」

「ゆーわけで。こほん。

右のお耳はん、こんにちわ~。あら?」

7. Track7「結とふたりで藁布団」(28:07)

「ああ……(息吸う)――ええ香り……

藁の香り……あんさんにも気に入ってもらえたらうれしいなぁ」

「ん。うふふっ。せやねぇ。

こうして静かに横になってめぇつむっとると。

起きとるときより、ずうっとずうっと、藁の香りが、高ぉなるような気ぃするねぇ」

8. Track8「結の寝息(ループ)」(2:59)

「ん……ふ――(浅い寝息)……(浅い寝息)」

9. おまけトラック(6:32)

「花澤さくらさんインタビュー」

『フォーリー・煤竹耳かき』のレビューと感想

綺麗な京言葉に癒されます。縄をなうのも面白い。

ものべのの世界より、また新しい作品が出ました。

「縄のうれん 結」です。

声優は花澤さくらさんなのですが、京言葉が本当に上手いですね。

wikiに書いてあったのですが、京都出身なんですね。これは自然なはずです。

声質がとても良いんですよね。心に染み入ります。

縄をなうのが得意な結さん、縄をなうのを教えてくれます。

わしゃわしゃと良い音がして、ゆっくりとした呼吸音も落ち着きます。

藁をたんたん、と叩く音も良き良き。

時々、耳元で囁いてくれるのが、また、どきどきとさせてくれます。

ああ、箒とか一緒に作って欲しい。

一緒にごはんも食べるのですが、「ふぅふぅして食べんといけんよ?」という言葉が、圧倒的ママ味です。美味しそうに食べる姿が、実に尊い。

箒をかけたり、耳かきをしたりするのですが、とても色っぽいです。

ものべのの世界が広がって、つながって、とても楽しいですね。願わくば、ゲーム本編でもお会いしたいものです。

良い作品でした!おすすめします。

さくらさんの美しい声で紡がれる京言葉に酔いしれる…

ただ声を聴いてるだけで幸せ…ほんとにそうとしか言いようがないんです!

藁箒が作られていくカサカサとした音、あまりに自然な環境音、従来の作品とは少し違って聞こえる耳かき音、どこをとってもクオリティが高くて「なるほどこれがフォーリーサウンドか」などとわかったようなわかってないような感想も抱きましたが、とにかく花澤さくらさんの流暢な京言葉が最高すぎて、なんかもう…本当にありがとうございました!!

音声作品に「癒やし」を求める人には、全力でオススメできる作品です。

心地いい声のお姉さん妖怪に癒される!

京ことばがとても似合う、縄のうれんというあまり馴染みのない妖怪のお姉さんに耳かき、添い寝で癒されるボイスドラマ作品です。

このドラマパートではこのお姉さんの健気さに触れ、愛着がわいた頃に耳かきや添い寝でとことん癒されていきます。

シリーズ物の音声ですが、単品で100%楽しめます。

過去作ヒロインの名前が出てくるので、あらかじめこういう子達もいるのかー、とシリーズを眺めてみていると一層楽しめるかもしれません。

今日も私は寝息音声トラックを無限リピートして癒されながら眠ります……zzz

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スペック・スタッフ

縄のうれん 結:花澤さくら
イラスト・キャラクターデザイン:
シナリオ:進行豹 @sin_kou_hyou
収録:明神下スタジオ
編集:佐藤豪・姉妹物語
制作:Whisp

大沼萌美
大沼萌美
隠れ里で癒されながら女の子に耳かきをしてくれる同人音声作品です。

 

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